タイトル
講座スタッフ紹介(医師)
安武 正弘 (主任教授)
福岡県みやま市出身
1984年日本医科大学卒
学位・資格
医学博士
日本医師会認定産業医
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会専門医
集中治療専門医
日本心血管インターベンション治療学会名誉専門医
日本老年医学会認定老年病専門医
日本脈管学会認定脈管専門医
日本プライマリ・ケア連合学会指導医
JATECプロバイダー
所属学会
主な論文・学会発表
Thrombin Activates the Sarcolemmal Na+-H+ Exchanger
Evidence for a Receptor-Mediated Mechanism Involving Protein Kinase C
Masahiro Yasutake, Robert S. Haworth, Anna King, Metin Avkiran Circulation Research.1996; 79: 705-715.
Exacerbation of reperfusion arrhythmias by α1 adrenergic stimulation: a potential role for receptor mediated activation of sarcolemmal sodium-hydrogen exchange
Masahiro Yasutake, Metin Avkiran Cardiovasc Res (1995) 29 (2): 222-230.
急性心筋梗塞の初期診療と二次予防 (日常診療に使えるガイドライン特集--より良い診療を目指して)(疾患編 心臓・血管) 綜合臨床 59巻増刊, 944-948, 2010 永井書店
趣味・特技
音楽鑑賞 ランニング
ひとこと
専門医乱立の今だからこそ、総合力のある医師をめざしましょう。
Gautam A. Deshpande (特任教授)
1999年Stanford大学卒。医療人類学を専攻。 愛媛大学医学部でMedical Englishを一年間教えた後、Penn State大学医学部で医師免許取得。UCSDで内科のinternship及びresidencyを修了。 ハワイ大学医学部でhospitalistと して活躍。ハワイ大学ではcurriculum-buildingとbedside teachingに主に携わる。 現在日本にて アメリカ大使館の医師及び 聖路加国際病院のhealth and behavioral medicineの教授として従事。
学位・資格
所属学会
主な論文・学会発表
The cutting-edge of medicine; hospitalist medicine in the United States: a young specialty matures. Nihon Naika Gakkai Zasshi, 10;103(1):155-9
趣味・特技
ひとこと
毎月1回、研修医のケースプレゼンテーションをもとに英語でディスカッションするプログラムを開催しています。
塚田(哲翁) 弥生 (病院教授 (武蔵小杉病院救急・総合診療センター センター長・部長))
1988年日本医科大学卒
学位・資格
医学博士 日本専門医機構 総合診療専門医 特任指導医 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本病院総合診療医学会認定医・特任指導医 日本プライマリケア連合学会認定医・指導医 日本循環器学会循環器専門医、FJCS 日本心臓病学会 FJCC 日本渡航医療学会認定医療職 日本医師会認定産業医
所属学会
日本内科学会 日本循環器学会 日本病院総合診療医学会 日本プライマリケア連合学会 日本心臓病学会
主な論文・学会発表
Status of Medical Care and Management Requirements of Elderly Patients With Heart Failure in a Comprehensive Community Health System ― Survey of General Practitioners’ Views ― Yayoi Tetsuou Tsukada, Eitaro Kodani, Kuniya Asai, Masahiro Yasutake, Yoshihiko Seino, Wataru Shimizu Circulation Reports, inpress, Jan 20, 2021 Validation of wearable textile electrodes for ECG monitoring Yayoi Tetsuou Tsukada, Miwa Tokita, Hiroshige Murata, Yasuhiro Hirasawa, Kenji Yodogawa, Yu-ki Iwasaki, Kuniya Asai, Wataru Shimizu, Nahoko Kasai, Hiroshi Nakashima, Shingo Tsukada Heart and Vessels, 34(7) 1203-1211, Jan, 2019 Awareness and Feasibility of Women Chairing Cardiology Sessions in Scientific Meetings: A Nationwide Survey by the Japanese Circulation Society Atsuko Nakayama, Chizuko A. Kamiya, Sachiko Kanki, Tomomi Ide, Yasuko K. Bando, Yukari Uemura and Yayoi Tetsuou Tsukada Front. Cardiovasc. Med., 03 June 2022 日本専門医機構 総合診療専門研修 公式テキストブック 日経BP社 Dec, 2020 編集委員
趣味・特技
ピラティス・音楽鑑賞
ひとこと
研修期間につまずいても、焦ることはありません。できる時に、できるだけのことを精一杯やれば自ずと道は開けます。長い医師のキャリアでは、総合的な勉強も、専門的な勉強も、どちらも必要です。
小原 俊彦 (准教授 多摩永山病院 診療部長)
山口県宇部市出身
1988年日本医科大学卒
学位・資格
医学博士
日本循環器学会専門医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医
日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医
所属学会
日本心電学会
日本不整脈学会
American Heat Association
The Heart Rhythm Society
主な論文・学会発表
Increased vulnerability to inducible atrial fibrillation caused by partial cellular uncoupling with heptanol. Ohara T, Qu Z, Lee MH, Ohara K, Omichi C, Mandel WJ, Chen PS, Karagueuzian HS. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2002 Sep;283(3):H1116-22.
趣味・特技
カープの応援 音楽鑑賞
ひとこと
自分が受けたい医療、教育が実践できるよう努力したいと思います。
高木 元 (准教授 総合診療科部長)
徳島県
出身大学、卒業年度 1993年日本医科大学卒
学位・資格
医学博士
所属学会
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医 日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医 日本循環器学会認定循環器専門医 日本脈管学会専門医 日本プライマリ・ケア学会認定医 日本人間ドック学会認定医 日本高気圧環境・潜水医学会 専門医 日本再生医療学会 認定医 日本医師会 健康スポーツ医 日本スポーツ協会 スポーツドクター American Heart Association Fellow
主な論文・学会発表
Gen Takagi, Kazuyoshi Yagishita. Principles of Disinfectant Use and Safety Operation in Medical Facilities During Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Outbreak. SN Comprehensive Clinical Medicine. 2. 1041-1044. 2020. Natsuko Watanabe, Jaeduk Yoshimura Noh, Naomi Hattori, Kenji Iwaku, Nami Suzuki, Ai Yoshihara, Hidemi Ohye, Miho Suzuki, Masako Matsumoto, Kei Endo, Yo Kunii, Gen Takagi, Kiminori Sugino, Koichi Ito. Cardiac troponin is elevated in patients with thyrotoxicosis and decreases as thyroid function improves and brain natriuretic peptide levels decrease. Eur Thyroid J. 10. 468-475. 2020. Masafumi Shibata, Gen Takagi, Mitsuhiro Kudo, Jiro Kurita, Yoko Kawamoto, Yasuo Miyagi, Mikimoto Kanazashi, Takashi Sakatani, Zenya Naito, Yasuhiko Tabata, Masaaki Miyamoto, Takashi Nitta. Enhanced Sternal Healing via Platelet-Rich Plasma and Biodegradable Gelatin Hydrogel. Tissue Eng Part A. 24, 1406-1412. 2018. Chikage Noishiki, Gen Takagi, Yoshiaki Kubota, Ray Ogawa. Endothelial dysfunction may promote keloid growth. Wound Repair Regen. 25, 976-983. 2017. Gen Takagi, Masaaki Miyamoto, Yoshimitsu Fukushima, Masahiro Yasutake, Shuhei Tara, Ikuyo Takagi, Naoki Seki, Shinichiro Kumita, Wataru Shimizu. Imaging angiogenesis using 99mTc-MAA scintigraphy in patients with peripheral artery disease. J Nucl Med. 57, 192-197. 2016 Gen Takagi, Masaaki Miyamoto, Shuhei Tara, Sonoko Kirinoki-Ichikawa, Yoshiaki Kubota, Tomohito Hada, Ikuyo Takagi, Kyoichi Mizuno. Therapeutic Vascular Angiogenesis for Intractable Macroangiopathy-related Digital Ulcer in Patients with Systemic Sclerosis: A Pilot Study. Rheumatology(Oxford), 53, 854-9. 2014
趣味・特技
日本医科大学ボート部部長、日本ボート協会医科学委員、Asian Rowing Federation Sports Medicine Committee Member 日本医科大学軽音楽部部長、ギター演奏
ひとこと
超高齢化時代到来の足音のもと、地域医療を安心して利用していただくための医療提供や人材育成に加え、難治性病態を解決する研究に尽力したいと思います。
兵働 英也 (講師・医局長)
福岡県福津市出身
1995年日本医科大学卒
学位・資格
医学博士
日本内科学会認定医・総合内科専門医
日本血液学会認定血液専門医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医
日本がん治療学会認定医・指導医
日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医
所属学会
主な論文・学会発表
骨髄異形成症候群におけるフローサイトメトリープロトコールによる予後予測
兵働英也 (日本医大 病院 血液内科)、田村秀人 (日本医大 病院 血液内科)、奥山奈美子 (日本医大 病院 血液内科)臨床血液 52号9ページ, 303, 2011.9.30
Characterization of Blasts in Clinical Samples Containing Few Blasts
Hideya Hyodo, Kiyoyuki Ogata, Mikiko Tachibana, Kazuo Dan
International Journal of Hematology May 2003, Volume 77, Issue 4, pp 376-382
趣味・特技
西洋古典音楽鑑賞
ひとこと
毎週内科カンファレンスを行い、全員が新しい知識や経験を共有できるようにしています。無理せずがんばります。
小野寺 直子 (助教)
広島県広島市出身
1999年日本医科大学卒
学位・資格
日本内科学会認定医・指導医
日本老年医学会認定老年病専門医
日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医
所属学会
主な論文・学会発表
趣味・特技
パリ旅行 ショッピング
ひとこと
幅広い年代の様々な症状の患者さんの診療にあたり、毎日貴重な経験をさせていただいています。子育て中の女性医師でも働きやすい職場です。
小野寺 麻加 (教育担当講師)
埼玉県鶴ヶ島市
2002年日本医科大学卒
学位・資格
医学博士
日本内科学会認定医
日本血液学会認定血液専門医
日本がん治療学会認定医
所属学会
主な論文・学会発表
Interferon-gamma and tumor necrosis factor-alpha induce an immunoinhibitory molecule, B7-H1, via nuclear factor-kappaB activation in blasts in myelodysplastic syndromes. Kondo A, Yamashita T, Tamura H, Zhao W, Tsuji T, Shimizu M, Shinya E, Takahashi H, Tamada K, Chen L, Dan K, Ogata K. Blood. 2010 Aug 19;116(7):1124-31.
趣味・特技
舞台鑑賞
ひとこと
総合力の高い医療を行えるように頑張りたいと思います。
松田直人 (病院講師)
埼玉県浦和市
2007年獨協医科大学卒
学位・資格
医学博士
総合内科専門医
感染症専門医
AIDS学会認定医
CTH Certificate of Travel Medicine
所属学会
日本内科学会
感染症学会
International Society of Travel Medicine
日本AIDS学会
主な論文・学会発表
Matsuda N, Matsuda M, Notake S, Yokokawa H, Kawamura Y, Hiramatsu K, Kikuchi K.: Evaluation of a simple protein-extraction method for species identification of clinically relevant staphylococci by matrix-assisted laser desorption ionization-time of flight mass spectrometry. J Clin Microbiol. 50: 3862-3866, 2012.
Matsuda N, Matsuda M, Uehara Y, Nakamura A, Ikari H, Kikuchi K: Difference in beta-lactamase inhibitor activity measured by MALDI-TOF hydrolysis assay against ESBL-producing Escherichia coli. 27 th ECCMID, Vienna, Austria, 2017, 4.
趣味・特技
おいしいレストランを見つけること
ひとこと
働くところは働き、休むところは休み、遊ぶところは遊びながら、臨床、研究、教育に精進していきます。
若栗 大朗 (助教(オーストラリア留学中))
東京都府中出身
2008年日本医科大学卒
学位・資格
医学博士(日本医科大学大学院 総合医療・健康科学分野)
日本循環器内科認定循環器専門医
日本内科学会総合内科専門医
プライマリーケア学会認定医指導医
病院総合診療医学会認定医
JATECプロバイダー
ACLSプロバイダー
所属学会
日本内科学会
日本循環器学会
日本プライマリ・ケア連合学会
Society of Hospital Medicine(USA)
主な論文・学会発表
Serum hepcidin-25 levels reflect the presence of bacteremia in patients with systemic inflammatory response syndrome. Wakakuri H, Hyodo H, Ohara T, Yasutake M J Nippon Med Sch 2019;86(2)91-97
Time course of serum hepcidin-25 levels and ferrokinetic parameters in patients with bacteremia (Society of Hospital Medicine 2019 Washington D.C)
趣味・特技
ジムトレーニング、旅行(元バックパッカー)
ひとこと
シドニー大学で公衆衛生修士を取得、Cancer coucil NSWで研究生として働いた後、留学から復帰致しました。研修医、将来の総合診療医、内科医の育成のために日々精進したいと思います。
須崎 真 (助教)
東京都青梅市出身
2009年日本医科大学卒
学位・資格
日本救急医学会救急科専門医
日本内科学会認定医
旅行医学会認定医
宇宙航空環境医学会認定医
病院総合診療医学会認定病院総合診療医
JATECプロバイダー
所属学会
日本救急医学会
日本外科学会
日本内科学会
日本小児救急医学会
日本感染症学会
日本宇宙航空環境医学会
日本旅行医学会
病院総合診療学会
主な論文・学会発表
<論文> 1.須﨑 真,安武 正弘,横田 裕行:心血管エマージェンシーに対するERの役割と課題.内科120(6):1207-1212,2017 2.須﨑 真 他:日本医科大学付属病院総合診療センターにおける救急・総合診療研修の取り組みと初期臨床研修による評価.日本病院総合診療医学会雑誌10(2):29‐34,2016 3.須﨑 真,安武 正弘,横田 裕行:救急患者の症候と疾患の疫学.腎と透析77(1):39-43,2014 4.須﨑 真,横田 裕行:病態と対処法:CHDF(hemofiltration).Fluid Management Renaissance 3(3):267-273,2013 <学会発表> 1.須﨑 真 他「救急医が必要とする検査情報とその要件~時間・精度・安全~」第20回日本臨床救急医学会総会・学術集会、2017<シンポジウム> 2.須﨑 真 他「当院総合診療センターにおける外科系他科との連携」第42回日本外科系連合学会学術集会、2017<ワークショップ> 3.須﨑 真 他「日本医科大学付属病院総合診療センターにおける感染症診療の現状と課題」第59回日本感染症学会中日本地方会、2016<口演> 4.須﨑 真 他「大学病院救急外来を受診したてんかん・痙攣症例の検討」第45回日本救急医学会総会・学術集会、2016<ポスター> 5.須﨑 真 他「大学病院総合診療センターにおける感染症診療の実態に関する検討」第89回日本感染症学会総会、2015<ポスター> 6.須﨑 真 他「小児外傷診療におけるERの役割と今後の課題」第42回日本救急医学会総会・学術集会、2014<口演>
趣味・特技
つり、旅行、珠算
ひとこと
”Do my best” 救急医療、総合診療において、多くの人々のために貢献できるよう日々精進努力したいと思います。
上原和幸 (研究生)
東京都
2014年日本医科大学卒 2023年本八幡内科・循環器クリニック
学位・資格
循環器専門医
認定内科医
JMECC provider
BLS provider
ACLS provider
所属学会
日本内科学会
日本循環器学会
日本心臓病学会
主な論文・学会発表
Kazuyuki Uehara et al. Prehospital ABC (Age, Bystander and Cardiogram) scoring system to predict neurological outcomes of cardiopulmonary arrest on arrival: post hoc analysis of a multicentre prospective observational study. Emergency Medicine Journal. 2022.
Kazuyuki Uehara et al. Initial Systolic Blood Pressure on Admission as a Marker of Fluid Re-distribution in Acute Heart Failure. Journal of Cardiology, 2019;74:245-250. https://doi.org/10.1016/j.jjcc.2019.03.003
Kazuyuki Uehara et al. A patient survived and recovered with full activity from out-of-hospital cardiac arrest due to severe aortic stenosis. ICU&CCU 41:S42-45, 2017.
趣味・特技
カーリング、アーチェリー
ひとこと
正確な診断をつけ、適切な治療を行うことで、一人でも多くの患者さんのお役に立てるよう、頑張ります。
渥美裕太 (助教)
学位・資格
所属学会
主な論文・学会発表
趣味・特技
ひとこと
飯盛月 (専攻医)
学位・資格
所属学会
主な論文・学会発表
趣味・特技
ひとこと
滝沢 康 (嘱託医)
群馬県前橋市出身
1987年高知医科大学卒
たき医院 院長
学位・資格
医学博士
所属学会
日本形成外科学会
日本抗加齢医学会
日本プライマリ・ケア連合学会
主な論文・学会発表
趣味・特技
魚釣り
ひとこと
開業医から見た総合診療センター
私は、群馬県で開業しながら、月に数回、総合診療センターで研修をしております。開業した後にも研修を望んだ理由とその意義について、私見を述べたいと思います。
現在は、医療の細分化、専門化が進み、より高度な医療を受けることができる時代となりました。
その一方で、開業医をしていますと「かかりつけ医として近所にいてなんでも診てほしい。いつでも、気軽に診てほしい。症状、臓器別、年齢にかかわらず診察し必要があれば適切な病院を紹介してほしい。」地域柄か、このような希望をお持ちの患者さんが多いことを実感しております。
自院の患者さんは、軽症で、一般的によくある疾患の方がほとんどですが、このような希望をお持ちの患者さんの診療をしていますと、注意しなければならないことがいくつかあります。まず、一人の患者さんが、複数の疾患を合併していることが少なくないことです。特に、高齢化に伴い、複数の慢性疾患の合併も増加し、基礎疾患の他に整形外科疾患、皮膚疾患、眼疾患、神経疾患など多岐にわたる疾患の合併も珍しくありません。そのため、ある症状に対し、どの病院の何科を受診すれば良いか分からないので診てほしいと相談を受けることもあります。例えば足の痛みとしびれを主訴とする患者さん。視診で爪囲炎、陥入爪、鶏眼、外反拇趾、扁平足、脊椎後彎症があり、問診で間欠性跛行、前傾姿勢で改善する下肢のしびれと冷感があります。現病歴に高血圧と糖尿病があり、触診で下肢の動脈に左右差あります。問診と視診触診だけでも、皮膚科疾患に加えて、骨粗鬆症による椎体骨折、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、運動器症候群、運動器不安定症などの可能性があり、末梢動脈疾患も否定できません。この患者さんのように問題点が、皮膚科、整形外科、内科などいくつかの診療科に及び、それらが関連しながら症状として発現し、現病歴とも併せて診なければならない場合が少なくありません。
次に、一般的によくある疾患の患者さんの中に、見逃してはならない重大な疾患が潜んでいることです。自院に救急車での来院はありませんが、独歩で来院する患者さんの中に、時として、緊急性の高い重大な疾患、専門的治療を要する危険な疾患が潜んでいるのです。来院した時が、これから重症化する前段階かもしれません。例えば、腹痛を主訴にする虚血性心疾患、数日間続く後頚部痛のくも膜下出血、数週間前からの疲労感を主訴とする肺塞栓症など。胸痛、頭痛、呼吸困難など典型的症状を訴えない緊急性の高い疾患が、非典型例として潜んでいるのです。
最後に、主訴以外、主疾患以外のことにも意識を向けなければならない患者さんがいることです。例えば、転倒などによる外傷を診る場合、多発外傷はいつも念頭に置きますが、外傷の原因として一過性の意識障害があったり、不整脈などの循環器疾患があるかもしれません。また、パーキンソン病などの神経疾患や運動器症候群などが転倒の一因のこともあります。外傷以外に訴えがなくとも、一歩踏み込んで外傷の背景を慮る必要があります。また、二人に一人が癌に罹患する現在です。高血圧、糖尿病など生活習慣病を診ていた患者さんが、もしかしたら癌を発症しているかもしれません。発見された時に既に末期癌であったならば、かかりつけ医として自責の念に堪えません。患者さんの家族背景、社会背景も知りつつ、長い時間軸で患者さんと接するのであれば、主訴、主疾患以外のことにも配慮するべきでしょう。
それでは、このような特徴のある患者さんの要望に答えるために、かかりつけ医に求められスキルとはどんなことでしょうか。それは、さまざまな疾患について幅広く精通し、広いだけではなく、ある程度深い知識と経験を持つことです。そして、自院でできる診断治療は何か、できないことは何か、できないことはどこでできるのかを考え、適切な時期に適切な医療機関を紹介できる能力です。紹介する場合も、今すぐなのか、明日まで待てるのか重症度、重症化の判断能力が求められます。
紹介先はどこが良いか分からない患者さんが多く、紹介されることが経済的、時間的に負担になることもあります。そのため、どのような検査、治療が必要かを具体的に想定し紹介する医療機関を選定する方が効率よく医療が進みます。
また、かかりつけ医が実際に行う治療の質も当然求められています。病診連携で紹介した後、自院で経過を診る場合、病院と遜色のない診療が求められています。
では、どうすれば、このようなスキルを身につけることができるのでしょうか。
それは、自院だけでは経験できない総合診療の臨床現場を、内科系、外科系にかかわらず実際に体験することです。
勿論、机上の知識、講義なども大切ですが、時に自己流、独断的な判断に陥らないとも限りません。また、一事が万事、自分の過去の経験だけに安住した判断だけでは間違うこともあるかもしれません。総合診療センターでは、内科系、外科系にかかわらず、さまざまな疾患の発症からの経過、診断治療過程、いろいろな医師の思考過程を知ることができ、総合診療センターから各科へ転科した後の専門的治療の経過も知ることができるのです。総合診療科センターで学ぶことは、かかりつけ医をしている私にとって百聞は一見に如かずの生きた教科書であり、さまざまな疾患を幅広く、ある程度深く知ることに繋がっているのです。そして、医師としての自分の守備範囲を確認し、自分の立ち位置を見極めるためにも役立っているのです。
開業医、そして、かかりつけ医として、より質の高い医療を提供するために、倦まず弛まずの気持ちを持ちつつ、総合診療センターでの臨床経験をこれからも役立てていきたいと思います。