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スタッフ日記
第1回総合診療科・消化器肝臓内科合同カンファレンス
本日、総合診療科、消化器肝臓内科、消化器外科、放射線科の合同症例検討会でした。初めてのイベントであるにもかかわらずたくさんの参加がありました。ディスカッションがとても盛り上がりましたよ。以下ご報告。
消化器内科 開腹歴のない小腸イレウス
造影CTで絞扼性イレウスは否定的だったので保存的加療していましたが、憩室近傍の腸管狭窄が狭窄しており、結局腸管切除になった患者さん。
ディスカッションの肝は、救急外来に来た患者のレントゲンでイレウスを疑ったら、クレアチニンが出るのを待っていきなり造影CTするか、それともまず単純CTで評価するか。
イレウス見たときは、絞扼性イレウスとの鑑別が大切ですが、症状が強くて早く鑑別をしたいときは、まず単純でいいでしょう、という放射線科ドクターのご意見。外科の先生からは、画像だけに目を奪われず、まず患者さんをよく観察して鼠径ヘルニアの嵌頓を見逃さないように、とアドバイス。
造影するときは、単純+造影2相+冠状断が推奨されます。絞扼性イレウスのステージ分類I〜Vと、それぞれのステージにおける造影CTの所見を示してくれて、とても勉強になりました。
総合診療科 急性発症だけど腹部症状があまり強くない上腸間膜動脈解離
急性発症の腹痛で救急車で来院した男性、診察所見、レントゲン、血液検査ではあまりぱっとした所見なく、症状も徐々に改善(しかしゼロにはならない)。胃か十二指腸潰瘍か?という印象。単純CTで放射線科ドクターがSMAがちょっと太めで周囲のわずかな脂肪織濃度上昇を見逃さなかったので、 引き続き造影CTを行い診断がつきました。もちろん造影CTをやれば一発診断ですが、症状が良くなってしまった、臓器障害のない腹痛でいきなり造影CTにはいけません。しかし単純CTであの細いSMAの解離を読むのは素人では無理です。私たちができることとしては、sudden onsetは動脈疾患(解離、血栓)を疑うことです。
2014/10/21
10月16日の抄読会
Socioeconomic Status Inconsistency and Risk of Stroke Among Japanese Middle-Aged Women. Kaori Honjo, PhD et al. for the JPHC Study Group. STROKEAHA.114.005238, Published online before print July 15, 2014,
2014年10月16日抄読会の詠み人は田中でした。今回の抄読会の論文は、日本の社会不平等(社会階層・社会経済的地位)と健康についてどの程度日本では研究されているのかをレビューしているときにヒットした記事をもとに選択しました。
担当するにあたっての目的としては、日本では、特に臨床の現場ではまだ社会的不平等についての存在が充分でないと感じたので、それを共有することでした。また、研修医の先生もおられるので、STROBEのガイドラインを参考にしながらのコホート研究論文のポイントを抑えるのも第2の目的でもありました。
この論文の結果は、高学歴なのに低所得・単純労働についている日本人女性で脳血管障害のリスクが上がるというものです。現在、日本ではニートに代表される、高学歴なのに職がない若者も増えており、日本でもこのような研究、また一歩進めてこの影響が生体に与えるバイオロジカル的メカニズムの分析など今後必要になってくると感じました。









2014/10/20
恒例総合診療科合宿
Dr G’s lecture started…
10月11日,Gautam Deshpande特任教授による,診断学のトレーニングが始まりました。初めは,英語の壁があり,研修医たちの口数も少なかったようですが,巧みな日本語混じりの話術でGautam’s worldに引き込まれ,最後は活発に意見を述べていました。土曜日の午前または木曜日の夕方に週1回のペースで行う予定です。
Lectures, Interactive cases, Simulated patients encounters:などのカテゴリーで米国式診断学を学べます。スタッフも彼の教え方に非常に感銘をうけ,教育法の勉強にもなっています。これからも様々な方法で,総合診療の魅力を発信していきます。(安武)


2014/10/12