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スタッフ日記

12月11日の抄読会

12月11日は桐木が当番で、Co-trimoxazole and sudden death in patients receiving inhibitors of renin-angiotensin system: population based study BMJ 2014;349:g6196 を発表しました。カナダではST合剤は尿路感染症治療で頻用されていますが、RAS系降圧薬を服用中の患者がST合剤を併用すると突然死が増える、というリサーチです。ST合剤はカリウム保持性利尿薬と構造や薬理作用が似ており、服用でカリウムが上昇することがあります。RAS系薬剤も高カリウムを惹起するので、高カリウムが原因では突然死が増えるのではないか、と推測されています。 日本だと、RAS系降圧薬を服用するような高齢者の尿路感染症にST合剤を処方する習慣はあまりないと思いますが、確かに熱病を見ると尿路感染症の第一選択薬になってます。抗菌薬は他にもQT延長させるものもありますし、代謝が悪い人に処方するときはよく考えなければいけません。 この論文のディスカッションでは、カナダの医療関連データベースがすごい、と話題になりました。処方内容、退院サマリー、死亡診断書の情報など、ありとあらゆる情報がデータベース化されているようです。論文がたくさん書けそうで、うらやましいですね。image

2014/12/12

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12月2日の抄読会

12月2日の抄読会は小野寺先生の当番で、Clinical Illness and Outcomes in Patients with Ebola in Sierra Leone. N Engl J Med 2014; 371:2092-2100 でした。シエラレオネで収集されたエボラ出血熱の臨床像データを発表したものです。主症状は発熱と頭痛(出血は実はあまりいない)、死亡と関連するのは年齢(高齢者ほど致死率が高い)、ウイルス量、下痢→脱水による腎不全•肝不全のようです。有効な治療は大量輸液ということになるでしょうか。デング熱、エボラ出血熱、もうちょっと身近なところではHIVや結核…およそ教科書の中の出来事だった感染症がじわじわと迫ってきているようです。 image

2014/12/6

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NST講演会

NST(Nutrition Support Team)講演会のお知らせです。12月10日(水)17:45-19:30に、日本医科大学教育棟で、東邦大学医療センター大森病院 栄養治療センターの鷲澤尚宏先生をお招きして講演会を開催いたします。院外の医療関係者もご参加いただけます。外部からの参加は定員がありますので添付の申し込み用紙に記入の上、FAXをお願いします。プライマリ・ケアと栄養、切っても切れない間柄です。たくさんの参加者とディスカッションできるのを楽しみにしています。 imageimage

2014/11/17

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11月13日の抄読会

11月13日の抄読会は荒木先生の当番で、Pediatric skull fractures: The need for surgical intervention, characteristics, complications, and outcomes. J. Neurosurg Pediatrics 14:205-211, 2014でした。 著者の所属はピッツバーグ大学脳外科で、5年間でLevel I 小児外傷センター救急部を受診、頭蓋骨骨折を認めた897例について、受賞機転、骨折の程度・所見、手術の必要性有無や治療後の転機をretrospectiveに解析しています。比較対象研究ではないので淡々と事実を述べている、シンプルな論文です。イギリス帰りの田中先生が気がついたのは、対象の白人の割合が多いこと。大学病院の小児外傷センターなぞを受診する人はそれなりにお金持ってる人たちですかねえ、という感想でした。病院に行くか行かないか、病院前バイアスもあるかもしれません。 image image image image

2014/11/17

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第1回総合診療科・消化器肝臓内科合同カンファレンス

本日、総合診療科、消化器肝臓内科、消化器外科、放射線科の合同症例検討会でした。初めてのイベントであるにもかかわらずたくさんの参加がありました。ディスカッションがとても盛り上がりましたよ。以下ご報告。 消化器内科 開腹歴のない小腸イレウス 造影CTで絞扼性イレウスは否定的だったので保存的加療していましたが、憩室近傍の腸管狭窄が狭窄しており、結局腸管切除になった患者さん。 ディスカッションの肝は、救急外来に来た患者のレントゲンでイレウスを疑ったら、クレアチニンが出るのを待っていきなり造影CTするか、それともまず単純CTで評価するか。 イレウス見たときは、絞扼性イレウスとの鑑別が大切ですが、症状が強くて早く鑑別をしたいときは、まず単純でいいでしょう、という放射線科ドクターのご意見。外科の先生からは、画像だけに目を奪われず、まず患者さんをよく観察して鼠径ヘルニアの嵌頓を見逃さないように、とアドバイス。 造影するときは、単純+造影2相+冠状断が推奨されます。絞扼性イレウスのステージ分類I〜Vと、それぞれのステージにおける造影CTの所見を示してくれて、とても勉強になりました。 総合診療科 急性発症だけど腹部症状があまり強くない上腸間膜動脈解離 急性発症の腹痛で救急車で来院した男性、診察所見、レントゲン、血液検査ではあまりぱっとした所見なく、症状も徐々に改善(しかしゼロにはならない)。胃か十二指腸潰瘍か?という印象。単純CTで放射線科ドクターがSMAがちょっと太めで周囲のわずかな脂肪織濃度上昇を見逃さなかったので、 引き続き造影CTを行い診断がつきました。もちろん造影CTをやれば一発診断ですが、症状が良くなってしまった、臓器障害のない腹痛でいきなり造影CTにはいけません。しかし単純CTであの細いSMAの解離を読むのは素人では無理です。私たちができることとしては、sudden onsetは動脈疾患(解離、血栓)を疑うことです。
テンパっている竹之内先生

テンパっている竹之内先生

たくさん来てます。

たくさん来てます。

安武先生のあいさつ

安武先生のあいさつ

2014/10/21

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